いわしー研究会 棋力向上ブログ

アマ有段者達が棋力向上を目的として活動します。実況者2人、イラスト担当、ブログ担当の計4人で構成されています。

【今日の雁木】第15局

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 世の中の棋譜から雁木に関する将棋(主に序盤)を簡単に紹介していきます!!

 

 

第59期王位戦予選
於:2017.9.21
先手:中村修九段
後手:佐々木大地四段

 

◇戦型
雁木右玉vs矢倉持久戦

 

【第1図は△2二玉まで】

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【初手からの指し手】

▲4五歩△同 歩▲7五歩△8六歩▲同 歩△6五歩

▲4五桂△4四銀▲6五歩(テーマ図)


【テーマ図は▲6五歩まで】

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先手の中村九段は先手番で雁木を目指します。

後手の佐々木四段は左美濃の形でしたが、先手のツノ銀の形を見て矢倉へと駒組みを変えました。

先手はツノ銀の形を完成させてから、▲4八金と指しました。この金上がりは次に▲2九飛として、角換わり腰掛け銀でよくある形を作る狙いです。

その間に後手はガッチリと金矢倉を完成させ、先手は右玉としました。

さらに金銀の形を組み替え(6七金+▲5八銀)、後手も手待ちをします。

先手は下段飛車を7筋へ振り、▲4五歩と開戦しました。

7、8、6筋で歩がぶつかり、▲4五桂と跳ね、△4四銀に▲6五歩(テーマ図)と手を戻した局面を見ましょう。次に△4五銀と桂を取ると▲4六歩と銀を取り返されます。

よって△4六歩や角を活用する手が見えますが、実践ではテーマ図より△5五歩とし、4五の桂を狙いつつ銀の可動域を広げる手を指されました。

 

 右玉の将棋を見ていきました。相手の形を見て、選択できるといいなと思います。

次はどんな雁木が見られるでしょうか^^