いわしー研究会 棋力向上ブログ

アマ有段者達が棋力向上を目的として活動します。実況者2人、イラスト担当、ブログ担当の計4人で構成されています。

第31期竜王戦決勝トーナメント 豊島棋聖ー深浦九段 (序盤)

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本日は、第31期竜王戦決勝トーナメント 久保王将ー増田六段戦を観戦していきます!

 

◇対局情報

1組2位の豊島将之棋聖棋聖になって初対局)と、2組2位の深浦康市九段の対局です。

深浦九段は前局で千葉七段に勝ち、本局に臨みます。両者ともこの対局を含めて2勝すると、挑戦者決定戦へ進みます。

振り駒の結果、深浦九段の先手となりました。

 

◇戦型

相掛かりとなりました。後手から飛車先の歩をの交換し、先手は▲3七桂と活用します。

後手は飛車の引き場所を△8四歩(第1図)と四段目に置きました。

 

【第1図は△8四飛まで】

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類型はあるようです。

※2018.6対局、飯島ー千田戦(1筋の端歩突き有り)

 

個人的には、豊島棋聖の相掛かりが珍しいなと思いました。調べたら、おそらく2017.11対局、JT杯以来のようです。

棋聖になって、のびのびと指せるようになったのではないでしょうか?

 

午後からも引き続き注目ですね!

 

 

 

 

◇イラスト作者(アーシビ)より

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第31期竜王戦決勝トーナメント 久保王将ー増田六段 (終局)

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前回の記事はこちら↓↓

①第31期竜王戦決勝トーナメント 久保王将ー増田六段 (戦型)

http://sal0112.hatenablog.com/entry/2018/07/19/132853

②第31期竜王戦決勝トーナメント 久保王将ー増田六段 (中盤)

http://sal0112.hatenablog.com/entry/2018/07/19/183423

 

 

第31期竜王戦決勝トーナメント、終局しました。

85手目▲6三歩としたところで、後手の増田六段の投了となり、先手の久保王将の勝ちとなりました。

 

久保王将が捌きのアーティストを見せつけ、増田六段を寄せ付けない感じでした。

(自分は)石田流は上手く捌けなくて得意戦法に出来なかったのですが、これを見ると指したいなと思わせる一局です。

 

◇印象に残った手

 

【第1図は▲6六飛まで】

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後手から先行し、先手の▲4六銀に対して△4四飛としました。もし、(▲同角△同角と)飛角交換になった場合、王手で入るため手番を握り、さらに次の▲7四歩を狙いにするようです。6六の角が好ポジションであるのが主張で、こういう展開もあったと思います。このような大駒を捌く指し回しが勉強になりますね。

 

 

【第2図は▲8五桂まで】

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これで捌けています!

①桂が跳ねたことで、馬取りになっている

②飛車先が軽くなった

③角を手持ちにしている→後手の馬が動けば▲6六角の王手飛車がある

 

先手の陣形は上部には強いですが、飛車を使った横からの攻めに弱いので、このように飛車を責めることが先手の方針のようです。

 

 

【第3図は△6二金まで】

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ここからの寄せの手順がカッコよかったです!

10秒考えてみてください!!

 

 

 

 

久保王将の指し手は・・・

第3図以下、▲3四角△同金▲2三香としました!

大駒を切って、取った駒で相手玉を寄せるのはとても気持ちいいですね。

この後は陣形差からゆっくり確実な攻めを見せて、勝ちとなりました。

 

 

◇今後の展望

久保王将はこの対局に勝ち、竜王戦ベスト4を決めました。

次は1組優勝の広瀬八段と対局されます。

若手強豪の増田六段の挑戦も見てみたかったですが、終わってみるとA級棋士が5人残るという結果となりました。

 

また、本日は豊島棋聖―深浦九段の対局がありますね!

引き続き観戦していきたいなと思います!!

 

 

 

 

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第31期竜王戦決勝トーナメント 久保王将ー増田六段 (中盤)

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前の記事はこちら↓↓

第31期竜王戦決勝トーナメント 久保王将ー増田六段(戦型)

http://sal0112.hatenablog.com/entry/2018/07/19/132853

 

◇囲いの組み替え

31手目▲5九角

先手は▲5九角(下図)と引いて石田流の攻め形を目指します。後手はその間に、銀冠を完成させました。

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後手の方針としては、銀冠穴熊(増田六段は銀冠穴熊の本を書いていましたね!)にしてより玉の硬さを求めるか、それとももうすでに陣形がしっかりしているので、攻めるための手を指すかが考えられます。

 

 

36手目△3五歩

先手の囲いの発展をさせないぞ、という目的の一手です。また、この手を指したという事は、玉頭に厚みを築こう!という表れかもしれません。

逆に先手はこの△3五歩に反発することを考えたいと思います。お互いの玉頭なので、奪い返せれば十分でしょう。

 

 

40手目△2三金(下図)

銀冠が上部に移動した!?

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この後は先手の角が7七へと戻り、久保王将が43手目▲6五歩と開戦しました。

陣形を見ると、後手は上部を厚くした分、飛車・角の大駒を打つ隙が多くなっています。特に飛車に弱い形ですね。

 

現在18時の地点で54手目まで進みました。

将棋連盟Liveのコメント欄によれば、深浦九段らが先手ペースといった旨のコメントを残しています。

以下引用

「ただ5二金が浮き駒になっているのが懸念で、やはり後手はまとめるのが大変だと思います」(深浦九段)

 

このコメント通りであれば先手が上手く捌いたと言えるでしょう。

今日は持ち時間の長い竜王戦、決着は遅くにつくと思いますのでLiveのコメントを追いながら観戦したいなと思います。

 

 

ちなみに増田六段の夕食はステーキ...!

お腹が空いてきました...。

 

 

 

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第31期竜王戦決勝トーナメント 久保王将ー増田六段 (序盤)

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本日は、第31期竜王戦決勝トーナメント 久保王将ー増田六段戦を観戦していきます!

 

◇対局情報

1組4位の久保利明王将と、4組優勝の増田康宏六段の対局です。両者ともこの対局を含めて2勝すると、挑戦者決定戦へ進みます。

振り駒の結果、久保王将の先手となりました。

 

◇戦型

先手の久保王将は三間飛車を選びました。それに対して後手の増田六段は角道を閉じた状態で左美濃を作ります。

美濃囲いを完成させて、▲7五歩(第1図)を突いた局面では、三間飛車VS左美濃の対抗型と分類できるでしょう。

 

【第1図は▲7五歩まで】

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ちなみに一手前の局面では前例が9局あり、先手1勝、後手8勝と大きく離れています。

この後は先手が石田流の形を作っていく感じだと予想してみます。

 

午後から少し進み、29手目▲6七金と珍しい金上がりに見えます。またまだ互角ですが、構想に注目ですね!

 

 

 

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【今日の雁木】第15局

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 世の中の棋譜から雁木に関する将棋(主に序盤)を簡単に紹介していきます!!

 

 

第59期王位戦予選
於:2017.9.21
先手:中村修九段
後手:佐々木大地四段

 

◇戦型
雁木右玉vs矢倉持久戦

 

【第1図は△2二玉まで】

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【初手からの指し手】

▲4五歩△同 歩▲7五歩△8六歩▲同 歩△6五歩

▲4五桂△4四銀▲6五歩(テーマ図)


【テーマ図は▲6五歩まで】

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先手の中村九段は先手番で雁木を目指します。

後手の佐々木四段は左美濃の形でしたが、先手のツノ銀の形を見て矢倉へと駒組みを変えました。

先手はツノ銀の形を完成させてから、▲4八金と指しました。この金上がりは次に▲2九飛として、角換わり腰掛け銀でよくある形を作る狙いです。

その間に後手はガッチリと金矢倉を完成させ、先手は右玉としました。

さらに金銀の形を組み替え(6七金+▲5八銀)、後手も手待ちをします。

先手は下段飛車を7筋へ振り、▲4五歩と開戦しました。

7、8、6筋で歩がぶつかり、▲4五桂と跳ね、△4四銀に▲6五歩(テーマ図)と手を戻した局面を見ましょう。次に△4五銀と桂を取ると▲4六歩と銀を取り返されます。

よって△4六歩や角を活用する手が見えますが、実践ではテーマ図より△5五歩とし、4五の桂を狙いつつ銀の可動域を広げる手を指されました。

 

 右玉の将棋を見ていきました。相手の形を見て、選択できるといいなと思います。

次はどんな雁木が見られるでしょうか^^

 

【今日の雁木】第14局

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 世の中の棋譜から雁木に関する将棋(主に序盤)を簡単に紹介していきます!!

 

 

第48期新人王戦トーナメント
於:2017.9.2
先手:斎藤慎太郎七段
後手:増田康宏四段

 

◇戦型
矢倉3七銀vsツノ銀雁木

 

【第1図は△6四歩まで】

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【初手からの指し手】

▲3五歩△同 歩▲同 角△6三銀▲3六銀△6五歩

▲同 歩△同 桂▲6六銀△8六歩▲同 歩△同 角

▲8七歩△6四角(テーマ図)


【テーマ図は△4四角まで】

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後手の増田四段が雁木へ、先手の斎藤七段は矢倉模様の駒組みから▲3七銀と攻める方針です。

後手の△6四歩とツノ銀雁木を作る手に対し、先手は▲3五歩から歩を突っかけた。自身の前例局から玉の位置を変えて(▲7九玉→▲6九玉)一手前に仕掛けたことになります。

先手は角銀を好形に配置しました。対して後手は△6五歩から仕掛け、桂を跳ねて、角で飛車先の歩を交換します。

そして▲8七歩に△6四角(テーマ図)とした局面では、先手の飛車に当たりをどう対応するかが焦点となります。

テーマ図より▲4六角と交換を視野に入れた受け方もあるようですが、本局は▲5五歩と角道を遮断する手を選ばれました。

以下は先手の猛攻を耐える後手という展開となりました。

 

※2017年9月 斎藤―稲葉戦

 

 

本家の増田六段の雁木は駒組みからしっかり理解できるようになりたいです。

次はどんな雁木が見られるでしょうか^^