いわしー研究会 棋力向上ブログ

アマ有段者達が棋力向上を目的として活動します。実況者2人、イラスト担当、ブログ担当の計4人で構成されています。

自戦記 角換わり腰掛け銀(アーシビ)

f:id:sal0112:20180621180739j:image


将棋ウォーズ対局 10分切れ負け
於:2018.6.12
先手:ahsibi
後手:三段

 

【第1図は▲7八玉まで】

f:id:sal0112:20180620001631j:plain

 

◇戦型
角換わり腰掛け銀で、先手はタッチミスからのボナンザ囲い、対して後手は△6二金型になりました。

 

 【第2図は△3一玉まで】

f:id:sal0112:20180620001649j:plain

 

◇互角の序盤戦
局面は完全に互角で、仕掛けにくい局面となりました。候補手としては、▲4五歩~▲4六角や、▲4五桂が成立するようです。


【第2図以下の指し手】
▲4五銀△6三銀▲3五歩△同歩▲2四歩△同歩▲1五歩△同歩▲5六角(第3図)

 

【第3図は▲5六角まで】

f:id:sal0112:20180620001704j:plain

 

◇新型の急所を狙う
▲4五銀は、銀交換後の▲6三銀~▲7二角の筋を狙っています。この手に対しての最善は△7五歩で、以下▲5四銀△同歩▲6三銀と進む手に対して△8三角という手を見据えています。
実践では後手は銀交換を避け、先手は歩を突き捨てました。

【第3図以下の指し手】
△6五角▲同角△同桂▲6六銀△8六歩
▲同歩△同飛▲8七歩△8一飛(第4図)

 

【第4図は△8一飛まで】

f:id:sal0112:20180620001717j:plain

 


◇後手良し
第4図の評価値を見てみましょう。
(評価値:-851)
駒割りは先手の2歩損です。玉の堅さはやや後手、手番は先手という情報から、互角という形勢判断をしたのですが・・・

【第4図以下の指し手】
▲5六角△9五歩▲同歩△9七歩
▲2三歩(第5図)

 

【第5図は▲2三歩まで】

f:id:sal0112:20180620001729j:plain


◇8筋の薄さ
△9五歩が好手でした。△9七歩に▲同香は△9八角があります。また第5図でも、△9六角が激痛で、次の△8七角成が受けづらいです。ちなみに通常の形では左金が8七の地点を守っているので、成立しないことが多いです。
実戦では角は打たれなかったですが、常にこの筋がありました。

 

【第6図は▲4五歩まで】

f:id:sal0112:20180620001741j:plain


◇詰み筋
数十手進んで第6図。この局面では△8六桂からの詰み筋を発見しました。以下▲同歩△9六角▲8八玉△8七角成▲同玉△8九飛成といった感じです。

 
【第7図は▲7三銀まで】

f:id:sal0112:20180620001753j:plain

 

◇天国と地獄
第7図以下、△同角で後手玉は耐えていました。実戦では△同金と取ったため、以下▲同銀成△同角▲8三金と打つことが出来、大逆転劇となりました。さらに以下△7一玉▲7三馬(第8図)となり、必至がかかり、後手投了となりました。

 

 【第8図は▲7三馬まで】

f:id:sal0112:20180620001805j:plain

 


◇まとめ
実はこの将棋、対局後に形勢判断をしていたのですが、第5図あたりの局面を互角と判断していました。(実際は後手:-2400)
その理由としては△9六角という手が見えていなかったこと、そして▲6八金という形の弱点を理解出来ていなかったことが原因です。
これらを踏まえて、相手が見慣れない形でこられた場合、その形の特徴や弱点を考えながら指すべき、という教訓を得ることが出来ました。