いわしー研究会 棋力向上ブログ

アマ有段者達が棋力向上を目的として活動します。実況者2人、イラスト担当、ブログ担当の計4人で構成されています。

いわしー研のイメ読み vol.2

 第2回いわしー研究会の「イメージと読みの将棋観」をやっていきたいと思います。
本家は日本将棋連盟 将棋世界の各月号で連載されており、そちらではトッププロの読みの能力と将棋観に迫ろう、という企画になっております。
このブログでトップ棋士ではありません。(笑)
しかしアマ有段としての読める手、形勢判断、個性などを書いてみましたので、読者の皆様も第一感と照らし合わせながら読んでいただけたらと思います。

 

 

 【テーマ図は▲9三馬まで】

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【解説】

将棋ウォーズ10分切れ負け

先手:三段

後手:アーシビ

先手石田流の序盤で、後手は高田流左玉のような陣形?で対抗しました。

まずはこの対局の中盤戦についてどう指したいか考えてみました。

 

 

【ふぁんた】
形勢判断をすると、駒の損得は先手は角銀、後手は飛桂で先手の駒得です。玉の堅さは先手の美濃囲いが堅いです。広さは後手に軍配があります、がやや不安定。駒の働きについて先手は馬を作っているが、他の攻め駒がなく角が隠居しています。後手は龍を作っていて自陣の飛車が守りに良く効いています。また△3三桂も攻め駒に数えたいところです。持駒は先手が銀香、後手が桂2香です。手番は後手です。
先手の陣形と後手の持駒を見て、第一感端を攻めたいと思いました。△1五歩とし▲同歩△1八歩▲同香△1七歩▲同香△1六歩▲同香△2四桂(第1図)となれば後手良しだと思います。

 

【第1図は△2四桂まで】

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自分が先手番なら△1五歩は恐らく取らないので、代わりに▲9四馬として飛車取りに当てますが、そこで飛車を逃がす位置が難しいなと感じました(次に▲6一馬と王手で入る手が気になる)。一番無難に△6二飛(第2図)として、端を取り込んでやや後手良しだと思います。

 

【第2図は△6二飛まで】

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【いわしー】 
とりあえず△8七歩を打ちたい。
△8八歩成は許せないのでしょうがなく▲8九歩と相手する。
この交換は入れといた方が得だと思う。
それから△1五歩(第3図)の端攻めや、△2四歩と玉頭の方から攻めていく手を指したい。
先手はパッと手が見えない。よって後手優勢な気がする。

 

【第3図は△1五歩まで】

 

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【アーシビ】(対局者)
いつもの読み抜けで駒損して対局中は困っていたので、攻めの形を作るために△4四桂(第4図)を打った。
ここでは、反撃の為駒を蓄える方針だった。
改めて見てみるとそこまで悪くないような気がするがどうだろう…。

対局中は不利と感じていたが、改めて見るとなぁ互角くらいかなと思う。

 

【第4図は△4四桂まで】

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【ソフト先生の見解】
第1候補 評価値 -745
△1五歩(14) ▲9四馬(93) △4二飛(72) ▲5九銀(68) △1六歩(15)

 

第2候補手 評価値 -506
△4二飛(72) ▲6六馬(93) △4四香打 ▲7七銀(68) △8一龍(86)

 

第3候補手 評価値 -482
△4四桂打 ▲9四馬(93) △6二飛(72) ▲5九銀(68) △1五歩(14)


という読みを披露してもらいました。

ちなみにテーマ図より
△8七歩は、評価値:-217
というようにソフト先生が示しました。
この手に対しては▲8九歩と受けずに▲9四馬としてから、▲5九銀~▲6八角(A図)を狙うようです。正直構想が難しくて自分には指せない・・・(笑)

 

 

【A図は▲6八角まで】

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【総評】

テーマ図では後手が有利(-500)な局面でした。

個人的な感想としては端攻めに対して先手が受けない、という所までソフト先生と一致していて良かったです。ただ形勢としては後手優勢に近い数値を示していたので、勉強になりました。

 

皆さんはどうでしたか?
もしよければコメント欄へあなたのイメ読みを書き込みいただけたら幸いです!