【今日の雁木】第11局
世の中の棋譜から雁木に関する将棋(主に序盤)を簡単に紹介していきます!!
第65期王座戦五番勝負第1局
於:2017.9.5
先手:中村太地六段 (当時)
後手:羽生善治王座 (当時)
◇戦型
矢倉棒銀vs雁木模様
【第1図は▲2六銀まで】
【第1図からの指し手】
△5五歩▲同歩△4五歩▲3七桂△5五角
▲6六歩△8六歩▲同歩△8五歩(テーマ図)
【テーマ図は△8五歩まで】
後手の羽生王座が雁木を見せ、先手の中村六段は▲3六歩から銀を繰り出していく方針を見せます。
お互い玉を一路遠ざけ(最近は居玉の将棋が多い)、先手は▲2六銀と棒銀を示しました。
その手に対して後手は△5五歩と仕掛けます。▲同歩に△4五歩と角道を通し、△5五角を見せました。棒銀で攻めようとする先手に対して後手が先攻することにより、▲2六銀を置きざりにするのが狙いの一つであります。
△8五歩(テーマ図)と継ぎ歩の局面では、▲8五同歩とすると△8五同桂があり、先手がまずそうという控室のコメントがありました。
局後の感想では、中村六段はこの継ぎ歩攻めを軽視していたと記されていました。
*********************
【投了図は▲1六銀まで】
◇逆転の熱戦
185手を持って後手の羽生王座が投了しました。
最終盤まで後手が優勢に進めていましたが、中村六段の粘りに局面が混沌とし、逆転に至りましたようです。
また局後の感想では、この投了図では続きがあり、千日手となるのが最善ということでした。手順としては投了図より△2三桂とし▲2五銀△同銀▲1六銀△2四銀・・・と進みます。
50手近くに渡る1分将棋の好防が凄まじく何度も棋譜並べをしたいなと思わされました。
今回は相雁木模様で、先手が早繰り銀から攻める将棋を紹介していきました!
次はどんな雁木が見られるでしょうか^^